sss

膝専門外来

膝専門外来

歩き始めや階段を上るときの膝の痛み、スポーツによるケガや障害でお悩みの方、まずは膝専門外来にお越しください。 膝専門外来では、病状分析に徹底した検査と保存・手術療法を行い、リハビリから競技復帰までをトータルサポートします。

膝関節症の原因

中高年の膝痛は、我慢しないで病院へ

放置すれば症状は悪化。我慢せずに快適な毎日を

中高年になると膝の痛みに悩む方が増えます。
「年のせいだから」と我慢すると症状が悪化し、他の病気を併発する恐れがあります。膝の痛みには様々な原因があり、半月板や軟骨の損傷、変形性膝関節症など、まずは専門医による確かな検査で原因を特定することが大切です。
適切な治療を受ければ、ほとんどの方の痛みは軽減され、趣味やスポーツなども楽しめるようになります。

中高年の膝痛の原因

中高年における膝痛の現状

  • 患者数1200万人(要治療者は700万人)
  • 日本人のほとんどは内側が変形する

内側型(ないそくがた)95%
外側型(がいそくがた)5%

症状が突然現れるわけではなく、何年もかけて良くなったり悪くなったりしながら、徐々に進行していきます。

中高年の膝痛の原因

体重の増加

太ももの筋力の低下

老化による膝関節の損傷

事故やケガによるもの

膝痛の主な原因としては、体重増加や加齢による筋力低下などがあげられます。まずレントゲンやMRI検査などで膝痛の原因を正確に把握し、次に専門医が的確な診断を下します。そこからリハビリを行うことにより、膝痛を改善することも多いです。まず原因が何であるかをしっかり把握することが大切です。

膝痛の進行は、最初の変化を見逃さずに早めの受診が大切です。
腫れる・熱を持つ、立ち上がるときの痛みは、膝痛の始まりです。

初期

立ち上がり、歩き始めの一歩目など膝に痛み(休めば痛みがとれる)や違和感を感じることがあります。
この症状が出る場合、ひどくなる前に一度診察をおすすめいたします。

  • 立ち上がりの痛み
  • 歩き始めの痛み
  • 膝に引っかかりを感じる

中期

歩行時、正座、階段の昇降時に膝に痛みを感じる又は困難である状態。
膝が熱を持っていたり水が溜まる場合などは早期に診察をおすすめいたします。

  • 歩行時に痛む
  • 階段の昇降時に痛む
  • 正座の時に痛む
  • 水が溜まる、熱を持つ

末期

膝の変形が目立ち、膝がピンと伸びず、歩行も困難な状態(日常生活が不自由)。
変形性膝関節症がかなり進行している可能性がありますので、早急に受診をおすすめいたします。

  • 膝が伸びない
  • 歩行が困難
  • 正座が困難
半月板損傷

半月板損傷(はんげつばんそんしょう)

膝痛初期に多い。早期治療で改善!

半月板は膝関節内の三日月形の軟骨で、衝撃を吸収するクッションの役割があります。若年層ではスポーツ外傷が、高齢者では加齢による変性が半月板損傷の主な原因です。症状としては階段の登り降り時の痛み、可動域制限、腫れ、運動後に水がたまる、膝のコリコリ感などがあります。

体重の増加や、老化などに伴い半月板が縦や横に裂けたり、変形することで、膝に痛みを生じます。

断裂の種類

横断裂
縦断裂
変性断裂

損傷個所

正常な半月板
内側半月板断裂
外側半月板断裂
変形性膝関節症

変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)

高齢者の膝痛 原因 No.1

加齢による軟骨のすり減りが進行すると、膝関節が変形し痛みが生じる変形性膝関節症になります。多くの場合、内側の関節面のみがすり減りO脚変形を起こし、さらに内側への負担が大きくなる悪循環に陥ります。

変形性膝関節症の発症は一次性と二次性があります。

  • 【一次性】
    原因はなく加齢によって発症し、軟骨や半月板の変性で徐々に進行するもの。
  • 【二次性】
    膝関節の骨折、半月板損傷や靭帯損傷に引き続いて発症するもの。

関節リウマチ

手足の指、手首、首やあごなど、日常的によく使う小さな関節から始まり、1つの関節のみならず、左右対称の関節や全身のいくつかの関節に炎症が起こります。

変形性膝関節症の原因

老化による軟骨の衰え

肥満による関節への負担

下肢の筋力低下(70%が女性)

スポーツによる半月板や軟骨損傷

骨折や靭帯損傷による関節の変形

遺伝

レントゲンによる診断

正常な膝関節に比べ、潰れているのが確認できる。

変形性膝関節症
膝関節軟骨損傷
滑膜炎

靴底の片減り

靴底が短期間で、このようにすり減る場合は変形性膝関節症が進んでいる可能性が高いです。
早めに病院での診察を受け、治療を行うことで、進行を遅らせることができます。

膝の専門検査

膝関節の病状分析に徹底した検査で原因を究明

当院は、膝に特化した検査機器が充実している整形外科病院です。

膝の痛みにはあらゆる原因があり、症状や進行度合いも個人差があります。的確な検査なくしては適切な治療はできません。当院では、問診・視診・触診に加え、最新の検査機器を用いて、さまざまな角度から専門的に痛みの原因を探ります。膝専門医がこれらを総合的に判断し、最善の治療を行います。

MRI検査

最新式のMRIを使用し、診断・手術・治療に有効な高画質の検査データを取ることができます。 膝の診断には欠かせません。

加重時正面X線撮影

一般的には、寝た状態で撮影されるX線写真だと異常がないように感じられます。しかし、立った状態(日常生活に近い状態)で撮影することにより、膝関節が接触していることが確認できます。 これにより正確に膝痛の原因を突き止めることができます。

寝た状態で撮影
立った状態で撮影

ストレスX線撮影

専用の器具を使い、膝に一定の圧力をかけた状態でレントゲン写真を撮り、手術・治療における正確なデータを取ります。

下肢機能軸検査

専用器具を使い、一度に下肢全長を撮影し、機能軸(体重がかかる軸)を診る検査です。
これにより機能軸と膝の位置関係を調べたり、手術にて修正するための計測を行います。

エコー検査

筋肉の損傷、肉離れや骨折、血腫、膝の腫瘤、皮下腫瘤などを診る専門的な検査を簡単に実施できます。

骨密度検査

骨塩量(骨密度)を計り、骨粗鬆症の診断を行います。

※骨の断面図はイメージです。検査結果ではありません。
折れたあとでは遅い!50歳を過ぎたら一度は骨密度検査を!

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨の密度が低くスカスカになってしまうことで、骨がもろくなり骨折しやすくなる病気です。 予備軍まで含めると日本人の6〜7名に1人の割合で発症している病気です。 女性の方が圧倒的に多く、しかも閉経後の比較的若い年代から発病します。

膝関節の治療

保存療法

初期症状の場合や痛みが軽度のときは、手術をしないで治療を行います。

リハビリによる治療

膝関節治療の知識が豊富な理学療法士が筋力増強、歩行状態の改善などを指導し、必要に合わせた療法を加えます。

電気療法
寒冷療法
温熱療法

理学療法による、ストレッチ運動や衰えた太ももなどの筋肉の増強、物理療法による、電気治療、寒冷治療、温熱治療などを行っていきます。

PRP療法による治療

近年、再生医療の一つとしてPRP療法が注目されています。PRP療法とは、患者自身の血液から遠心分離で濃縮した血小板を関節内に注入する治療法です。血小板は傷つきを修復する働きがあり、関節の修復をはじめ、痛みや炎症の軽減が期待できます。自己の血液を使うため、拒絶反応のリスクもありません。加齢による関節の劣化に対し、PRP療法は有効な選択肢となっています。なおPRP療法は自由診療の治療となります、まずはお問合せください。

関節の動きを改善する効果

関節の炎症や痛みを抑える効果

軟骨の摩耗を押さえる効果

装具による補助

膝の矯正や保護、痛みの軽減、膝の横揺れ(側方動揺性)の軽減を行う膝関節サポーターや膝を安定させる足底板などを用います。

手術療法

膝の状態に合わせた最善の手術を行います。
多くの方が手術で痛みから解放されています。

関節鏡視下手術

適用:初期~中期(50才~70才)

膝を切り開かずに超小型のカメラを挿入して行う手術です。
30分程度で終わり、傷口はわずか1センチ程度のものが2~3箇所ですみます。
精神的・体力的に負担が少ないのが特徴です。
あらゆる症状に有効で、多くの方がこの手術で改善されています。

傷口が小さく手術時間が短いです。

膝周囲骨切り術

適用:中期(50才~75才)

一例として変形性膝関節症でO脚となった脚を(X脚ぎみに)矯正する手術です。
中等度の変形の方で年齢は原則として50~75歳くらいまでの方が適用対象となっています。
変形性膝関節症の進行を遅らせることができる唯一の手術方法です。

自分の骨で再生できます。

人工膝関節置換術

適用:末期(70才~)

膝の悪くなった部分を取り除き、人工関節に置き換える手術です。
当院では、障害の程度に合わせてタイプの異なる人工関節を用意しており、どれも世界トップクラスのものを使用しています。
人工関節の耐用年数はおおよそ20年(個人差あり)のため、当院においての手術適用年齢は、70歳以上の方となっています。

人工膝関節置換術前後

関節を人工関節に置き換えます。
膝関節治療の最終手段です。

手術について

関節鏡視下手術とは

関節鏡視下手術とは

膝を切り開かずに超小型のカメラを挿入して行う手術です。
30分程度で終わり、傷口はわずか1センチ程度のものが2~3箇所ですみます。
精神的・体力的に負担が少ないのが特徴です。
近年、画像技術の向上により靭帯損傷および半月板損傷の領域において細やかな手術が可能となりました。

短時間で傷口が小さく、短期入院でOK

関節鏡視下手術は、短い手術時間と最小限の傷口ですみますので、患者さんにとって精神面・体力面において非常に負担の少ない手術です。
また、手術翌日から歩行ができ、回復が非常に早いというメリットもあります。
早ければ3日ほど、遅くても1週間で退院できますので入院期間も短くてすみます。

手術の流れ

診断

膝の専門医により、MRIの画像で正確な診断を行います。

入院

診断で手術が決まったら手術前日に入院します。

手術

一般的な半月板の手術では、15分〜30分で終了します。

リハビリ

翌日より歩行可能ですので、リハビリを開始します。
※患者さんの状態により翌日からの歩行を控える場合もあります。

退院

3日~1週間で退院できます。あとは通院しながらリハビリを行います。
※患者さんの状態により退院日は前後します。

こんなに小さい手術機器なので傷口も小さい!!

2本のスティックを使用する鏡視下手術です。一方のスティックには小型カメラが付いており、膝内部の映像をモニターで確認しながら、もう一方の手術器具で病変部を切除や吸引、必要に応じて半月板縫合術を行います。

関節鏡視下手術が有効な症状

靱帯損傷前十字靱帯損傷・後十字靱帯損傷の多くはスポーツ外傷により起こり、半月板損傷を伴うことが多いのが特徴です。両靱帯ともに関節鏡視下手術が可能です。
※十字靱帯損傷は症例により手術時間・入院期間が異なります。
半月板損傷損傷した半月板の部分切除または縫合が可能であれば鏡視下の縫合術を行うことで軽快します。
滑膜ヒダ障害(タナ障害)滑膜ヒダは症状がでていない人の膝の中にも存在します。生まれつき大きい場合や炎症を起こし肥大した時に関節内にはさまり、痛みが発生します。シェーバーで吸引して取り除きます。
膝関節滑膜炎関節リウマチ・痛風・偽痛風・感染(細菌性・結核性)などで起こり、膝が腫れたり、熱を持ったり、水が溜まったりなどの症状があります。関節内の滑膜の炎症をシェーバーで吸引したり、レーザーで焼いたりします。
膝関節軟骨損傷外傷性(交通事故やスポーツ)と非外傷性(離断性骨軟骨炎・骨壊死)が原因で起こります。軟骨摘出、骨軟骨移植、ドリリングなどを行います。
膝関節内遊離体(関節ねずみ上記の軟骨損傷や腫瘍(滑膜性骨軟骨腫症)などが関節内をねずみのように移動し、関節にはさまることで激痛を生じます。小型パンチで遊離体(関節ねずみ)を摘出します
膝蓋下脂肪体炎膝蓋下脂肪体は症状がでていない人の膝の中にも存在しますが、スポーツなどの刺激が加わると腫れ上がり、炎症とともに痛みが出現します。シェーバーで脂肪体を吸引します。
膝関節血症外傷(骨折・靱帯損傷・半月板損傷)、腫瘍、特発性関節血症などで起こり、膝関節に大量の血が溜まります。出血原因を明確にして、止血の処置を行います。
膝周囲骨切り術

自分の骨を残せる利点の多い手術方法です。

膝周囲骨切り術とは

O脚またはX脚に変形した脚を、矯正して正常化することで、変形性膝関節症の進行を遅らせる手術です。人工関節に頼らず、自分の関節を残したまま症状改善が可能です。骨が繋がるまでに3ヵ月以上を要しますが、現在最も推奨される手術の一つです。

最先端の手術と希少な手術施設

当院では、骨切り部を強固なプレートで固定する先進的な方法を導入しています。術後1週間で荷重が可能となり、個人差はありますが早期退院(早い方は約4週間)が可能になりました。

手術の説明

O脚(がに股)を矯正するために、脛骨を切って角度を調整

股関節から足の甲までを一直線に結ぶ線を「荷重線」といいます。 変形性膝関節の方の多くは、この荷重線が左図のように膝の内側を通るので、膝の内側に荷重がかかり膝に障害が起こります。 この手術では、この「荷重線」を膝の中心に近づける手術を行います。

手術前→手術後→1年後

術後〜回復までの流れ(1〜2ヶ月の入院)

1年半後プレートを外します(抜釘)

1年半もすると、骨切りし開いた部分に新しい骨が形成されますので、支えていたプレートを取り外す手術を行います。(入院は1週間以内で済みます)

より日本人に適したプレートを!!

従来の手術用プレートは欧米人向けだったため、日本人の解剖学的な面との違いから術後に違和感や痛みを生じる場合がありました。そこで開発した当院独自の改良版プレートにより、手術後の負担を大幅に軽減することが可能となりました。

人工膝関節置換術

変形性膝関節症や関節リウマチと診断された方に効果的な治療方法です。

人工膝関節置換術とは

関節を人工関節に置き換える。膝関節治療の最終手段です

膝の悪くなった部分を取り除き、人工関節に置き換える手術です。
当院では、障害の程度に合わせてタイプの異なる人工関節を用意しており、どれも世界トップクラスのものを使用しています。
当院においての手術適用年齢は、基本的に70歳以上の方となっています。

痛みの90%以上は改善されると思われます

個人差はありますが、手術前の膝痛の90%以上が改善すると期待できます。ただし、脚の形状がまっすぐになることで使用する筋肉が変わります。手術して3ヵ月程は、その筋肉の痛み、人工物が周囲の組織と馴染むまで痛みが残りますが1年後にはつらい膝痛から解放され、旅行やショッピングなど日常生活が楽しめるようになった等の喜びの声が多数あります。手術後の一時的な痛みを乗り越えることで活動的な生活を取り戻せる有効な手術です。

手術の説明

手術時間は1〜2時間程度で終わります
障害のある部分を取り除き、人工関節に置き換えます

手術ではまず、膝の悪くなった部分(リウマチや変形による骨の障害)を取り除きます。 (オレンジの部分)

その後、骨の表面を人工物で置き換えます。 (青と黄色の部分)

世界トップクラスの高性能人工関節を使用しています

当院では、障害の程度に合わせて世界トップクラスの高機能人工関節を使用しています。
最大屈曲角や可動域、患者の年齢・生活スタイルに合わせて、適切な人工関節を選択します。

人工関節の一般的な耐用年数は、個人差はありますが20年以上耐久性があると言われています。
過度の負荷をかけると早期に緩みが生じることもあるので、定期検診と過剰な負荷を避けることが重要です。

安心の無菌手術室(クラス1000)

国際水準の無菌手術室クリーン度(クラス1000)を誇るクリーンルームで手術を行いますので、手術中の細菌による感染の心配がありません。

術後のケア

術後のDVT(深部静脈血栓症)は新たな病気を誘発
当院では術後から万全の予防に取り組んでいます

術後、ベットで下肢が動かない状態が続くと下肢の静脈に血のかたまりができ、静脈を詰まらせ下肢がうっ血してしまいます。 一時話題になったエコノミー症候群は、深部静脈血栓症を発症した後に肺塞栓症を併発したものです。

術後よりフットポンプ

病室へ戻ると共に血管内に血流が停滞し血栓(血の塊)が出来るのを予防するためフットポンプが開始されます。

早期の下肢運動

翌日より車椅子又は、歩行器を用いて下肢の運動を開始します。

弾性ストッキングの装着

血流の停滞を防ぐ目的で、両下肢に弾性ストッキングを装着します。 装着期間は術後2週から3週間程度です。

下肢静脈エコー検査

術前・術後に、血栓の有無をエコーで医師又は検査技師が確認します。

血栓凝固因子の測定

術前・術後に、血栓凝固因子(D-ダイマー)の測定を行い、血栓が形成しやすい血液状態になっていないかを確認します。

◎血栓溶解剤の投与

術後1週間は、血栓を予防する為、血栓溶解剤(低分子ヘパリン等)の投与を行います。

リハビリテーションの期間

生活復帰までのリハビリ期間は4〜12週間となっています。
(術前の障害程度や回復能力に応じて多少異なります)

手術翌日からリハビリ

翌日より、「CPM」という膝訓練器械を使用し、膝をゆっくり動かし慣らしていきます。

膝は最大140°まで曲がるようになります。

術前の状態によって異なりますが、入院中は120°を目標にリハビリテーションを行ていきます。 退院後は100°〜140°ぐらいはほとんどの方が曲げられるようになります。

日常生活のほとんどが出来るようになります。

手術後の日常生活は、正座こそできませんが、今までの生活内容はほとんどできるようになります。

術後〜回復までの流れ

前十字靭帯再建術

前十字靭帯再建術とは

スポーツ選手に多い前十字靱帯断裂
術後のメンテナンスが大切です

前十字靱帯損傷は、スポーツ中の膝の捻りや方向転換、着地の失敗などで、膝に強い外力が加わったときに発症します。「ボキッ」という音と著明な腫れ、痛みが特徴的な症状です。骨折ほどの痛みがないため、初期は見逃されがちです。

放っておくとどうなる

数日で腫れは収まりますが、その後は膝の不安定感が現れます。前十字靱帯損傷を放置すると、半月板や軟骨への二次損傷を引き起こし、数年をかけて徐々に変形性膝関節症へと進行します。

手術の必要性

治療法は、前十字靱帯再建術という手術です。部分損傷の場合は、手術をしない保存療法(装具固定)も選択肢ですが、治療期間が長く筋力低下などの弊害もあり、スポーツ選手には不向きです。

手術の時期

緊急手術は必要なく、膝の腫れが消失し、膝が充分に曲がるようになってから手術を行います。

手術の説明

断裂した靭帯の代わりに自分の腱を移植して靭帯機能を回復させる手術

1.関節鏡視下にて行われます

人差し指よりも小さい棒状のカメラと手術機器を用いて手術が行われます。 手術機器が小さいので傷口も最小限で済みます。

2.代用の腱を採取し、靱帯を作ります

一度切れた靭帯は縫合が不可能なので、自分の腱を使って、靭帯の代用品を作ります。 腱を採取する為に、膝の内側下部に約4〜5cmの皮膚切開を行います。
当院では、患者さんの筋力(伸筋・屈筋)のバランスや競技種目によって代用する腱の場所を決定します。

ハムストリング腱を用いる方法(ST法)

膝の内側後方にあるひも状の腱(屈筋腱)を採取して、前十字靭帯の位置に移行する方法。
2本の靭帯で再建する「2ルート法」と1本の太い靭帯を再建する「1ルート法」があります。
※「2ルート法」と「1ルート法」の術後成績に差はありません。

膝蓋腱を用いる方法(BTB法)

膝のお皿の下にある腱を短冊状に採取して、前十字靭帯の位置に移行する方法。(1ルート法)

術後〜スポーツ復帰の流れ

当院は、1,000症例以上の前十字靭帯再建手術の実績があり、スポーツ疾患に精通した医師と理学療法士が責任を持って治療にあたります。
さらに、当クリニック2階のスポーツメディカルトレーニング施設では、復帰後のメンテナンスやコンディショニングを、医師、理学療法士、運動指導士、トレーナーがトータルでサポート。早期の競技復帰までを万全体制でバックアップいたします。